翌四日には、全身打撲で痛くて歩けずじっとしていたそうです。
父の弟夫婦がお年始の挨拶にきたので、お茶を一杯だけ入れてもらって、
その日はトイレに行くのも大変だったので飲まず食わずで過ごしたとか。
五日の夜に、私がたまたま電話をしたらストーブに灯油を給油できないので、
一日中布団にはいっていたと言ってました。
六日の朝、様子を見に行くと、
寒さを凌ぐためにコロコロに着ぶくれた母がいました。
杖を片手になんとか歩けるようになったと言ってました。
『転んで骨折したらどうするの。なんで転ぶの!』と私が詰問すると
『転ぼうと思って転んだんじゃない。転ぶときにはどんなに気をつけてても転ぶの!』と反論。
母の言い分の方が理屈が通っていました。
七日には杖なしで歩行ができるようになっていました。
当日を含めて三日間、よくぞ一人で耐えていたものだと感心してしまいます。
老いても、安易に人に頼らず、自力でなんとかしようとする姿は
これから老いゆく私たちの世代に教えてくれるものがあります。
【揚げごまめ】
いつの頃からか、我家はごまめを油で素揚げして、砂糖入り生姜醤油でからめます。
油で揚げることによって、若い世代にも好評です。